エルメスの偽物はどう見分ける?プロが教える真贋を見極めるための6つのポイント
2024.07.06

ブランド品の世界では、残念ながら“偽物”の存在は避けて通れません。
とりわけ近年では、精巧なコピー品――いわゆる「スーパーコピー」が市場に多く出回っており、エルメスのようなハイブランドも例外ではありません。
偽物を購入することは、見た目の損失だけでなく、思わぬトラブルを招く原因にもなります。
個人での使用に限れば違法とはされませんが、売買や国外への持ち出しなど、状況によっては犯罪行為に該当するケースもあります。
つまり、「買う」ことそのものが、偽造品市場への加担になりかねないということです。
こうしたリスクを回避するためにも、エルメス製品の正しい見分け方を知っておくことは非常に重要です。
本記事では、誰でも実践しやすい“エルメス偽物の見分け方”をわかりやすく解説。
さらに、安心して本物を購入するためのポイントについてもご紹介します。
本物を選ぶ力は、あなた自身を守ることにもつながります。ぜひ最後までご覧ください。
エルメスの偽物にはご注意を!スーパーコピーとは?

エルメスの売買において、もっとも警戒すべき存在が「スーパーコピー品」です。
かつての偽物は、縫製の甘さや素材のチープさ、独特な異臭、そしてロゴの形状の違いなど、素人でも気づける“粗さ”が特徴でした。いわゆるコピー品と呼ばれるもので、見抜くのはさほど難しくありませんでした。
ところが近年では、見た目だけでは判断できないほど精巧な偽物が登場しています。
天然素材が使われ、職人の手で丁寧に仕立てられたこれらは、一見して正規品と見分けがつかないほどの完成度を誇ります。こうした高精度の偽物は「スーパーコピー」と呼ばれ、非常に厄介な存在です。
実際に、2024年4月には、エルメスの偽物バッグを知人女性らに販売したとして、詐欺と商標法違反の疑いで女性が逮捕されました。※参考:神戸新聞NEXT
安さに惹かれて購入したものが偽物だった――というケースは後を絶たず、結果として信頼やステータスを損なうリスクにもつながります。
だからこそ、エルメスのアイテムを手に取る際には、「本物かどうかを見分ける力」が欠かせません。
次章では、エルメスの偽物を見抜くための具体的なチェックポイントを詳しく解説していきます。
ポイント① 刻印

エルメスの多くの製品には、「HERMÈS PARIS MADE IN FRANCE」の刻印が施されています。
正規品では、文字の太さや間隔、配置のバランスが非常に整っており、型押しの深さも均一です。インクを使っている場合でも、にじみやムラはなく、クリアに印字されています。
一方、偽物の場合は、以下のような違和感が見られることがあります。
- ・フォントが正規品と微妙に異なる
- ・刻印の深さにムラがある
- ・インクがにじんで文字が潰れている
- ・文字の配置バランスが不自然
こうした刻印の“わずかなズレ”が、見極めの重要な手がかりとなります。
ポイント② ファスナープル・下止め金具


エルメスのファスナーには、細部にまでこだわった特徴があります。
まず、ファスナーの引き手(持ち手)には「HERMÈS」の刻印が入っているのが一般的です。
さらに、ファスナーの留め具部分には「H」の形をした金具があしらわれています。これは、デザイン性とブランドの象徴を兼ね備えたディテールで、正規品ならではの特徴です。
ただし注意すべき点として、製造年の古いモデルには、これらの刻印や装飾が施されていない場合もあります。
そのため、「Hの金具がない=偽物」とは一概に言えず、年代やモデルによる違いを理解したうえで確認することが大切です。
ポイント③ クロア金具

クロアとは、ケリーやバーキンなどに代表されるエルメスバッグの“顔”ともいえる、前面の開閉用金具のことです。
小さなパーツですが、偽物かどうかを見極める上で非常に重要なチェックポイントになります。
まず注目すべきは、金具の仕上げの美しさです。
正規品では、クロアの金具にムラやくすみはなく、光の反射も滑らかです。基準外品は赤丸の部分をよく見るとメッキ処理にムラがあるので、正規品と比べてギラつくのが分かります。
次に見るべきは、ロゴ刻印の精度です。
正規品は「HERMÈS PARIS」の刻印は深さが均一で、文字の線もシャープに彫られています。偽物では、文字が浅かったり、ぼやけていたり、そもそも刻印のフォントが異なっていることもあります。
また、四隅にある鋲(びょう)も見逃せません。
正規品では一つひとつ手作業で取り付けられているため、微妙な個体差が見られることもあります。
一方、偽物は機械的に打ち込まれていることが多く、全てが不自然に均一な仕上がりになっているケースがあります。
クロアは偽物では耐久性や仕上げの粗さが現れやすい箇所です。細部の質感までしっかり観察することが、見極めの鍵になります。
ポイント④ 底鋲金具

バッグの底にある金具──いわゆる「底鋲(そこびょう)」も、エルメスの品質を見極める上で重要なディテールのひとつです。
エルメスの正規品では、底鋲の根本部分がまっすぐ立ち上がっているのが大きな特徴です。
接地面から上に向かって垂直に立ち上がるように設計されています。
さらに、正規品の底鋲は面取り(エッジの加工)がきちんと施されています。
角が丸みを帯びており、手触りもなめらかです。
一方、偽物では根本に垂直な立ち上げは見られず、エッジの面取りも正規品の方がややシャープな印象です。
加えて、底鋲の取り付け方にも違いがあります。
正規品は丁寧に固定されており、グラつきや傾きは見られませんが、偽物ではわずかに歪んでいたり、金具が浮いていたりすることもあります。
ポイント⑤ 革の質感と香り
エルメスの魅力は、何と言っても世界最高峰のレザー品質にあります。使用されている革は、トゴやクレマンス、ボックスカーフなど厳選された天然素材ばかりで、手触り・質感・香りに至るまで一切の妥協がありません。
正規品の革は、触れた瞬間にしっとりと吸い付くような滑らかさがあり、使い込むほどにツヤと味わいが増していきます。また、独特の「レザーの香り」も特徴的で、嫌なにおいは一切ありません。
一方、偽物によく見られるのは以下のような特徴です。
- ・表面に妙なテカリやゴワつきがある
- ・合成皮革や樹脂系素材が使われており、質感が安っぽい
- ・ゴムや接着剤のような刺激臭がする
- ・柔らかさに欠け、手に馴染まない
見た目だけでは判断しづらい場合でも、「触れる」「嗅ぐ」ことで本物との違いがはっきりと感じられるのが、革の質の大きなポイントです。
ポイント⑥ 保存袋
本体だけでなく、付属品の保存袋にも偽物を見極める手掛かりがあります。エルメスの正規品では、保存袋も高品質に作られており、細部まで美しい仕上がりになっているのが特徴です。
特にチェックしたいのは、以下のポイントです。
- ・ロゴの色味と精度
正規品のロゴマークは濃く、はっきりと印刷されています。一方で、偽物は色が薄かったり、滲んでいたり、輪郭がぼやけていることがあります。 - ・生地と縫製の仕上がり
正規品の保存袋は厚みのあるしっかりした生地で作られ、縫製も丁寧です。偽物では、生地がペラペラだったり、ステッチが曲がっていたり、使っているうちに糸がほつれてくるケースが多く見られます。
保存袋は一見見落としがちな部分ですが、エルメスの品質哲学は付属品にも徹底されています。
本体だけでなく、こうした小物のクオリティにも目を向けることで、偽物を見抜く手がかりになります。
まとめ|トラブル回避は“見極め力”と“信頼できる相談先”
エルメスをはじめとするハイブランド市場では、近年ますます精巧なスーパーコピー品の流通が増えています。
本物と見分けがつかないほど高精度に作られた偽物も多く、専門知識がなければ気付かずに手にしてしまうケースも少なくありません。
特に注意したいのが、オンラインサイトやフリマアプリを通じた個人間の取引です。
実際に偽物を購入してしまったという被害報告も後を絶たず、購入前の慎重な見極めが求められます。
以下のような特徴があるサイトは、詐欺や偽物販売の可能性が非常に高いため、利用を控えましょう。
- ・銀行振込のみ、しかも個人名義の口座が振込先
- ・常識では考えられない不自然な値下げがされている
- ・見慣れないドメインや運営情報の記載不備がある
- ・他では完売している人気商品が「なぜか在庫あり」
さらに近年では、偽物のレシートまでセットで販売される悪質なケースも見られます。
レシートの印字が薄い、フォントが異なる、商品名のスペルに誤りがある。そんな違和感を感じたら要注意です。
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- 「売りたいけど偽物だったらどうしよう」
「購入品が不安だけど、確かめる手段がない」
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