【マルジェラ高価買取】オーバーサイズ期の名作とデザイナーの世界観を解説
2024.12.05
こんにちは!
バイヤーの小澤です。
今回は、ファッション界で伝説的な存在となったデザイナー、マルタン・マルジェラの「オーバーサイズ期」にフォーカスした内容をお届けします。
マルジェラといえば、斬新なアイディアと独自の美学でファッションの常識を覆してきたデザイナーです。
その中でもオーバーサイズのアイテムは、彼の世界観を象徴する名作として、多くのファンに愛され続けています。
この記事では、そんなオーバーサイズアイテムを販売させていただいた経緯から、これらのアイテムが現在でも高額で取引される理由や、マルタン・マルジェラというデザイナーの魅力にも迫ります。
「なぜマルジェラのオーバーサイズが今も高いのか?」と気になる方や、彼のデザイン哲学に興味がある方は必見!
ぜひ最後までお付き合いください。
オーバーサイズ期の名作たち|マルジェラが生み出した伝説的アイテム
これらのアイテムは、マルタンマルジェラが提示した『反モード』という概念を体現しており、彼の独創的な哲学が細部にまで宿った逸品です。
今回販売させていただいたお品物はいずれも00SS~00AWのアイテムであり、当時のLOOKに登場する、大変貴重なアイテムでした。
タグやディティールの写真も掲載させていただきます。
00SS オーバーサイズ ポリエステル×コットン トレンチコート 70
伝統的なトレンチコートの形を大胆に拡大した本作は、細部に遊び心を持たせながらも、従来のフォルムを解体することで新たな視覚的バランスを提案しています。
00AW オーバーサイズ ウール ストラップ パンツ 78
パンツ全体のボリュームとストラップのディティールは、動きを伴う中で独特なシルエットを描き、着用者に新しい体験を提供します。
00AW オーバーサイズ ウール ピーコート 74
ピーコートに見られる従来のミリタリー要素を、圧倒的なボリューム感で現代的に再解釈した一着。
オーバーサイズのフォルムが生む重厚感は、着る人に威厳とユニークなスタイルを与えます。
ウール素材の上質な仕立てと計算されたシルエットが相まって、実用性とアート性を完璧に両立しています。
ご紹介のアイテムに加え、ワンピースやラーダースなども高価査定の対象です。
各アイテムのお買取り目安金額は下記のようにまとめられます。
カテゴリー | 中古美品 (AB~Aランク) |
---|---|
パンツ | 100,000円 ~ 150,000円 |
ワンピース | 100,000円 ~ 150,000円 |
トレンチコート | 150,000円 ~ 250,000円 |
Pコート | 300,000円 ~ 600,000円 |
ライダースジャケット | 300,000円 ~ 600,000円 |
委託販売については下記の記事をご参考ください。
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なぜオーバーサイズのアイテムは高いのか
マルジェラのオーバーサイズアイテムが高価で取引される理由は、当時のミニマリズム全盛の時代に、真逆を行く大胆なデザインでファッションの常識を覆した点にあります。
その希少性や、デザイン哲学が生み出す独特の価値がファンを魅了し続けています。
反モードの象徴|オーバーサイズアイテムが示すマルジェラの挑戦
マルタンマルジェラがいわゆるオーバーサイズのアイテムを発表していたのは「2000年春夏・2000年秋冬・2001春夏」の3シーズンでした。
この時期の他のブランドというと、プラダやジルサンダー、ヘルムートラングなどミニマリズムファッションが主流だった時代であり、いかに細身のトレンドを無視した、いや真っ向から否定するかのようなシーズンであったことが伺えます。
ゆえに、熱狂的なファンの間で今もなお絶大な人気を誇り、また流通の少なさから希少価値があるといえます。
アイテム自体にも、ファンからしてたまらないポイントが存在します。
それはサイズタグです。
一般的によくみかけるサイズタグはというと、「36」や「38」「40」といったサイズ表記が用いられますが、こちらのアイテムは「70」「74」「78」など、通常では考えられない表記がみられます。
この部分を見ながらお酒が飲めるなんて人も、なかにはいらっしゃるのではないでしょうか。
このようなサイズタグは、彼の『服そのものの価値を見つめ直す』という哲学の延長にあり、サイズそのものを拡大することで、ファッションにおける固定観念をユーモラスに揺さぶる意図が見て取れます。
伝説の復刻|H&Mコラボが蘇らせたマルジェラの名作
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、2012年にH&Mとメゾンマルタンマルジェラがコラボレーションコレクションを行いました。
コレクションのタイトルは「RE-EDITION」であり、過去のアーカイブの中で最も代表的なアイテムを形と素材をアップデートして再現されました。
その中でオーバーサイズのアイテムも発売され、上記でご紹介させていただいた、スラックスとピーコートも復刻を果たしています。
マルタンマルジェラというデザイナー
「マルタンマルジェラ」は1988年にパリでブランドを創設し、2008年までの20年間、反モードの名の下にトレンドに背を向けつつ、常に時代の美的価値に挑戦し、服の概念を解体し続けてきました。
ですが、彼はキャリアを通して一切公の場に姿を現さず、あらゆる取材や撮影を断り続け匿名性を貫いてきました。
最後の幕引きまでミステリアスなイメージを保ち続け、突然ブランドを去ってしまったのです。
エルメスでの革新|ウィメンズコレクションの再定義
彼は1997年から2003年までの6年間、エルメスのウィメンズコレクション・クリエイティブディレクターを務めていました。
反モードを体現してきた彼が、ラグジュアリーの頂点に君臨するエルメスのデザイナーに就任した際は、当時のファッション界に激震が走ったそうで…
エルメスでの活躍はというと、着脱のしやすさを考慮されて誕生した、いわゆる「ヴァルーズ」アイテムを筆頭に、彼の女性に対する敬意が圧倒的に形として表現され、まさに完成形といえる衣服を次々と発表していくのでした。
マルジェラが示した「服そのもの」の価値
注目していただきたいのは、この時期はというと、今回ご紹介しているあのオーバーサイズのコレクションを自身のブランドで発表していた時期と被っているということです。
エルメスでは女性のための究極の快適さと美を追求しながら、自身のブランドでは徹底的にモードを解体する。これら相反する活動を同時期に行っていたことが、彼のデザイナーとしての卓越性を物語っています。
彼の服に対する想いは自身のブランドのブランドタグにも表れています。
マルタンマルジェラのブランドタグには、24 の数字が並んだコットンラベルの 4 隅を糸で留めただけの簡易的なものになっており、「カレンダータグ」と呼ばれています。
簡単に取り外すことができ、ブランド名の記載もありません。
このようなタグが生まれた背景には、「ブランドネームではなく、服そのものから価値を感じて欲しい」という彼の強い想いが込められています。
タグを極限まで簡素化することで、着用者がブランドのステータスに依存することなく、自らの感性で服と向き合うことを促しています。
また、カレンダータグに記載された数字は、各コレクションのラインを示す暗号的な役割を果たしつつも、ブランドの存在感を控えめに表現するユニークな工夫です。
このアプローチは、従来のファッションが持つ「ブランド力至上主義」に対するマルジェラの反発と、服そのものの本質的な価値を問い直す姿勢を象徴するものとなっています。
まとめ|マルジェラの哲学が詰まったオーバーサイズ期の魅力と価値
マルタンマルジェラは、ファッション界において革新的で唯一無二の存在でした。
顔を出さず、作品そのものに注目させるマルジェラの姿勢は、ファッションを自己表現のツールから解放し、着用者が主体となって意味を見出す新しいスタイルを提示していました。
エルメスでの活動ではラグジュアリーと実用性を追求する一方、自身のブランドでは反モードの哲学を徹底する二面性を見せ、どちらの場でも服そのものの本質を問い続けました。
マルジェラが提唱した服の哲学やデザインのアプローチは、現代におけるサステナビリティやジェンダーレスファッションといった新たな潮流にも深く通じています。
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